人生で一番2010-02-05 Fri 09:56 気がつけば他の人の曲を紹介する記事をほとんど書いた事がなかった。 うどんゲルゲPの「ピコピコ娘」くらいか。 今回ホッとPの新作「人生で一番」を紹介します 今までホッとP曲の魅力は「一抹の寂寥感」だ みたいなことを言ってきたわけですが(言ってこなかったかも) 今回の新作で気付いた事があります。 「人生で一番」歌詞 http://www.satoyou.net/nm/c/jinsei.txt 最近の商業J-POPを聞いてよく思うのは(最近のJ-POPはとか言ってる時点でオサンー) 歌詞の語感の均質性が欠けているものが多い、と言うことです。 そのアーティストのファンに悪いから具体例は避けますが、 語りかけ口語口調の曲に急に堅い漢語単語が割って来たり、中二的な学術用語英単語が唐突だったりするリリックはどうもひっかかってしまいます。(思い当たる例にカチンとくる人は昭和のオッサンの戯言と聞き流してね)(あと、アレとかアレの事でしょうとか言わないでw) しかしこの「人生で一番」は語感のバランスがとてもイイのです。 「快適で安全な空間」までの説明的文章の直後にくる「怖いの」 「濃淡」「瞬間」と堅い音の後に来る 甘い「どうしよう?」「悲しいの」。 均質性にこだわらない語感の緩急。 こういうリリックは計算で書くのだろうか。それともナチュラル? ナチュラルで詩を書く才能に恵まれなかった俺のほとんどの歌は、う~んう~んと唸りながら作ったものなのでこういうのを聞くと少し打ちのめされる思いがします。 ナチュラルに湧いた歌って「めんどくさいうた」くらい。(!だからアレのみ人気が出たのか?!) そして最初に書いた「一抹の寂寥感」ですが、ホッとPの曲は やさしい歌詞なのに漠然とした寂しさが止まらないことがあります。 「ウィンターソング」「君とうさぎと新生活」などにもある なにか「あらかじめ終わっているセカイ」にでもいるような胸のつまる寂しさです。 ちょっとトッピな話であまり賛同は得られないかもしれませんが誤解を恐れず書くと、 これと同じ寂寥感を俺はしりあがり寿先生や吉田戦車先生のマンガを読んでいて感じることがあります。(いや、もちろんホッとPの曲はずっとオシャレですが) しりあがり寿の「他所(よそ)へ」を評してとり・みき先生が 「(自分の)担当は 普通に爆笑しましたがと言っていたが俺は涙が止まらなかった」とどこかに書いていたのを思いだしてしまうのです。 あれと同種類の「あらかじめ終わっているセカイ」の寂寥感が なぜかホッとPの曲を聴くと湧いてくる、のです。なぜだかはよくわからない。 長文御無礼。 今回の新曲はちょっと「俺もマネしよう!」とか思っちゃった。 でも俺の次回作はたぶん「恋のポンポコ狸囃子」か「ルカが戦車(タンク)でやって来る!」のどっちかorz スポンサーサイト
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この記事のコメント長文レビューありがとうございます。
今回の曲は「暗くて怖くて狭い」というのが出発点になっていて、曲そのものはできたてほやほやですが着想は10年前とかに遡るものだったりします。 当時はヤンデレなんて概念自体が存在しなかったと思いますが、「病的に好き」「あなたがいない孤独に耐えられない」という、緩やかに破滅に向かうようなイメージがずっと頭に引っかかっていて、今回ちょっと意外な形で具現化され日の目を見た格好です。 できた曲は比較的普通のラブソングっぽい塩梅ですが、根底にあるものは存外ブラックなのかなあと自分で再発見していたりもします。 僕がオタなのは親が集めていた手塚治虫漫画全集の影響が間違いなく大なのですが、中でも『火の鳥』が僕の人生観に与えた影響は絶大で、大なり小なり「万物は破壊と再生を繰り返す」というテーゼが頭のどこかにこびりついているのが曲作りにも滲んでいるのかな……とか思ったり。 嗚呼、こちらのコメントも長文になってしまったw しかしこうして考えてみると、恐ろしく的確に僕という人間が読み解かれていて感嘆しきりです。 語感の緩急とかは完全に手癖(というか宮本浩次氏の影響)ですが、より根っこに近い部分に目を向けると、なるほどと思わされるところが多かったです。 結局のところ僕の音楽観というのは、究極的には「この世の終わりにアコギをかき鳴らして歌う」という一枚絵に集約されるのかもしれません。いや、自分でも何言ってるかよくわからないのですが。 歌詞とアコギくらいしか褒められた記憶がない僕ですが、むしろそこを極める方向で頑張るべきなのかと思えてきました。 懐古P(先日の記事を読むにミッキーさんとお呼びした方がいいんでしょうか)の新曲も期待してます。ガチでもネタでもハイクオリティな懐の広さには毎回笑ったり泣いたり刺激を受けまくっているので、次のネタ曲(ですよね……?)も動画含め楽しみが尽きません。 あ、もし歌詞のネタ出しに詰まったらご一報ください。というか、もし良かったらいつかコラボ的なことなどできたら嬉しいです。 長文を書いちゃった後って少し照れ臭くなりますよねw
「この世の終わりにアコギをかき鳴らして歌う」という一枚絵 という一文で全て理解できたように思います。 あと、よけいな事かもしれませんが 「君とウサギ~」がリンちゃん向きだという事に 気がつきましたw 2010-02-06 Sat 08:45 | URL | wiwaxia [ 編集] |
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